日産キックスは、コンパクトなボディに先進のe-POWERを搭載したSUVです。スタイリッシュなデザインと優れた燃費性能が魅力ですが、一方で「ひどい」という評価も見られます。その理由を探っていきましょう。
日産キックスはひどいと言われる理由
日産キックスはひどいと言われる理由をネットから集めてまとめました。
総じて言えるのは「安っぽい」というのが理由ですが、日産キックスは元々内装などの質を重視している車ではありません。
そのため、何かの勘違いで質を期待して買ったのか、それとも想像よりもひどかったのか、そのいずれなのかと考えています。
実際にどのような点で日産キックスが不評なのか見ていきましょう。
内装の質感が安っぽい
日産キックスの内装は、ハードプラスチックの使用が目立ち、高級感に欠けるという声が多くあります。インパネやドアトリムの素材選びが質感の低さにつながっているようです。
インパネ周り
日産キックスのインパネ周りは、ハードプラスチックが大半を占めています。表面の質感はざらつきがあり、見た目にも安っぽい印象を受けます。ソフトな手触りを期待したい部分ですが、コストダウンを優先したためか、硬質な仕上がりとなっています。触れる機会が多いため、高級感に欠ける点は残念と言えるでしょう。
ドアトリム
ドアトリムもインパネ同様、ハードプラスチックが使用されています。肘を置くアームレスト部分などは、もう一段階柔らかい素材を使ってもよかったはず。長時間の運転で疲れが溜まりやすいポイントだけに、コストとの兼ね合いは難しいものの、改善を望む声は多いです。
シート素材
日産キックスのシートは、ファブリック素材が使われています。触り心地は悪くありませんが、表情がややフラットで、ぱっとしない印象も。価格帯を考慮すれば仕方ない部分ですが、ファブリックの質感をもう一段階高められれば、グッと車内の雰囲気が変わったかもしれません。
高速走行時の燃費の悪さ
e-POWERシステムの特性上、高速走行時はエンジンが高回転となるため、燃費が悪化しやすい傾向にあります。アクセルワークの工夫などで燃費の改善が期待できます。
e-POWERシステムの特性
e-POWERは、エンジンで発電し、モーターを駆動するシステムです。アクセル開度が大きいほどエンジン回転が上がり、発電量が増えます。そのため、高速巡航時などアクセルを深く踏み込む場面が多いと、エンジンが高回転を維持することになり、燃費の悪化につながるのです。システムの特性上、避けられない部分と言えます。
対策と工夫
高速走行での燃費悪化を抑えるには、アクセルワークを意識することが大切です。緩やかな加速を心がけ、できるだけ低回転域で走行するのが理想的。また、クルーズコントロールを活用するのも一つの手。車速を一定に保つことで、無駄なアクセルワークを減らすことができます。燃費悪化を最小限に抑える工夫が求められるでしょう。
ブレーキランプ点灯の不具合
配線の断線や接触不良によって、ブレーキランプやバックランプが点灯しないという不具合報告があります。放置すれば事故の原因になりかねない重大な問題です。
不具合の原因
ブレーキランプやバックランプが点灯しない不具合は、配線の断線や接触不良が原因と考えられています。ただ、バルブ切れではないことから、単純な消耗品の問題ではなさそう。配線の弱い部分に負荷がかかり、断線に至ったり、接触不良を起こしていると推察されます。
放置の危険性
ブレーキランプが点灯しない状態は、非常に危険です。後続車への注意喚起ができず、追突事故などを引き起こすリスクが高まります。気づかずに放置し続けると、重大な事故につながりかねません。こうした重要な部位の不具合は、早期発見早期対処が何より肝心。少しでも異常を感じたら、すぐに点検を受けるべきでしょう。
ファンモーターやECUの不具合(リコール対象)
ラジエーターファンモーターのブラシ材質の不適切さによる接触不良や、ECUの制御プログラムの問題で排気ガス温度が上昇するなどの不具合が、リコールの対象となっています。
ファンモーター
ラジエーターファンモーターのブラシ材質が不適切なため、吸湿して膨張し、接触不良を起こす恐れがあります。最悪の場合、ファンが停止し、オーバーヒートに至ります。オーバーヒートは、エンジンにとって致命傷。放置すれば、焼き付きを引き起こし、エンジンそのものを破損させかねません。リコールでファンモーターを対策品に交換する措置がとられています。
ECU
エンジンを制御するECUにも不具合が見つかっています。制御プログラムに問題があり、排気ガス温度が異常に高温になるリスクが判明。排気系統の損傷や、最悪の場合、火災の原因になりかねない事態です。こちらもリコールの対象となっており、ECUのプログラムを書き換える改修が実施されています。
修理費の高さへの懸念
e-POWER関連部品は高額であり、特にバッテリーの交換などは数十万円の費用がかかる可能性があります。手厚い補償や保証の確認が重要です。
e-POWER関連部品
e-POWERを構成するバッテリーやインバーター、モーターなどは、いずれも高額な部品。それもそのはず、高電圧を扱う特殊な部品であり、複雑な制御を要するため、従来のクルマの部品よりも割高になってしまうのです。中でもバッテリーは最も高価で、交換となれば数十万円は覚悟が必要。大きな出費となるため、万一の故障には頭が痛いところです。
補償と保証の重要性
高額修理のリスクを考えると、補償や保証の内容をしっかり確認しておく必要があります。メーカー保証に加え、中古車販売店の保証がどの程度カバーしてくれるのかは重要なポイント。ディーラーオプションの延長保証など、手厚い保証が付帯していると安心です。ただ、有償オプションの保証は費用も高額。カバーする部位と金額のバランスを見極めることが肝心と言えるでしょう。
中古車選びの注意点
リコール対応の有無をチェックし、内装の状態や整備履歴を確認することが大切です。また、エアコンやCVTなどの故障しやすい部位もしっかりと点検しましょう。
リコール対応状況の確認
中古車を検討する際は、リコールの対応状況を必ず確認しましょう。未改修のまま乗り継ぐと、重大な事故につながる恐れもあります。販売店に整備記録を開示してもらい、ECUやファンモーターの対策が完了しているか、しっかりチェックが必要です。
内装の状態チェック
内装の質感は人によって評価が分かれるところ。実車を見て、自分の目で確かめるのが一番です。プラスチック部分の傷や擦れ、シートの破れや汚れなどをしっかりとチェック。中古車は新車時の質感を維持しているとは限らないので要注意です。
オイル交換などメンテナンス履歴の確認
定期的なメンテナンスが行われていない車は避けたいもの。特にオイル交換は重要で、こまめに実施されているかを確認しましょう。フィラーキャップを開けてオイルの汚れをチェックするのも一つの方法。整備手帳をしっかり確認し、粗雑なメンテナンスがなされていないかを見極めます。
故障しやすい箇所(エアコン、ミッションなど)の点検
エアコンのコンプレッサーやCVTミッションは故障が多い部位。試乗の際は、エアコンの効きを確認し、異音がしないかもチェックしましょう。また、CVTミッションは滑るような違和感がないか、発進や加速の際の動きを確かめます。オルタネーターやセンサー類の不具合にも目を光らせたいところ。
保証内容の確認
万が一の故障に備え、保証内容をしっかり確認しておくことが肝心。中古車販売店の保証に加え、有償の延長保証などもあります。カバーされる部位や期間、修理時の上限額などを把握し、自分に合った保証を選びましょう。
日産キックスの良い評価
e-POWERによる優れた燃費性能と静かで滑らかな走り、スタイリッシュなデザインが高く評価されています。また、4WDモデルは雪道での走行安定性にも定評があります。
燃費の良さ
シリーズハイブリッドのe-POWERを搭載し、1充電あたりの電費は37.2km/L。ガソリン車に比べ、格段に燃費性能に優れており、経済的です。街乗りメインのユーザーなら、十分に恩恵を感じられるはず。燃費のよさはキックスの大きな魅力と言えます。
e-POWERによる運転のしやすさ
e-POWERは、モーターでのみ駆動するため、変速ショックがなくスムーズな加速が可能。アクセルオンで力強く反応し、追い越しもスムーズです。また、エンジン音が小さく静かな走りを実現。運転がしやすく、疲れにくいのもポイントです。
スタイリッシュなデザイン
キックスのエクステリアデザインは、ダイナミックでスポーティな印象。特に、Vモーショングリルやシャープなヘッドライトが特徴的で、精悍さを感じさせます。ボディサイズ以上の存在感があり、所有欲を満たしてくれるはず。
雪道走行の安定性
4WDを選択すれば、雪道の走行安定性は折り紙つき。電子制御4WDを採用し、路面状況に合わせて最適なトルク配分を実現。ぬかるみや雪道でもしっかりとグリップし、安定した走りを可能にします。冬場の移動を不安に感じることはないでしょう。
まとめ
キックスは、スタイリッシュなルックスとe-POWERによる優れた燃費、スムーズな走りが魅力。一方で、内装の質感、高速走行時の燃費、ブレーキランプの不具合などに不満を感じるユーザーもいます。総合的に見れば、日常の足としては優秀な部類に入るでしょう。
また、キックスの中古車選びでは、リコールの改修状況を最優先でチェック。内装の状態や、オイル交換などのメンテナンス履歴にも目を配ります。エアコンやCVTなど、故障が多い箇所は入念に点検しましょう。保証内容にも注目。上記ポイントを抑えれば、失敗の少ない選択が可能です。
日産キックスの概要
日産キックスは、全長4,290mm、全幅1,760mm、全高1,615mmのコンパクトなサイズながら、SUVらしい力強いスタイリングが特徴です。先進のe-POWERシステムにより、モーター駆動ならではのスムーズな加速と静粛性を実現。燃費性能も優れ、街乗りに適しています。
主なスペック
搭載されるエンジンは1.2L 直列3気筒 DOHC。モーターは最高出力127ps、最大トルク260Nmを発生します。駆動方式はFF(前輪駆動)または4WD(四輪駆動)が選べ、燃費はWLTCモード21.6km/L(FF)、20.4km/L(4WD)と優秀です。
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